オゾン発生器

 コロナ禍において、その需要が急激に高まっているオゾン発生器について、それぞれ業務用(産業用含む)と民生用(家庭用)にわけて詳しく解説します。

オゾン発生器とは

 オゾン発生器とは、オゾン脱臭機やオゾン消臭器、オゾン発生装置などとも呼ばれていますが、これらはすべて同じ機器を指しています。放電現象によってオゾンを人工的につくり出し、気体のオゾンを放出することで、室内空間の菌やウイルスなどと反応させて、脱臭や殺菌、ウイルスを不活化(感染できない状態にすること)したりします。そのような目的の機器ですから、オゾン発生器は医療施設やサービス業、一般家庭などにおいて、衛生レベルを向上させるために使用されています。

業務用及び産業用のオゾン発生器

 特に定義や明確な線引があるわけではありませんが、一般的な業務用製品を「オゾン発生器」とし、大型のものが「オゾン発生装置」と呼ばれることもあります。業務用オゾン発生器のオゾン発生量は概ね100〜10,000mg/hrであり、産業用は10,000mg/hr超を目安にしておくといいでしょう。

民生用(家庭用)のオゾン発生器

 民生用オゾン発生器のオゾン発生量は0.5〜100mg/hr程度だと考えられますが、主流は1〜5mg/hrの製品だと言えます。民生用の場合、オゾン発生量と適用範囲にさえ注意をしておけばきわめて安全性は高いと言えますが、オゾン発生量を公表しない等、一部のメーカー・ショップによる製品についてその安全性や危険性を推察できないため、注意が必要です。

民生用オゾン発生器における注意点

 前述したとおり、民生用オゾン発生器のオゾン発生量は少量であることから安全性はきわめて高く、基本的には危険なことになる場面などはありません。また、民生用オゾン発生器で重大な事故につながったという報告もありません。しかし、民生用オゾン発生器の適用範囲はオゾン発生量をもとに決められていることがほとんどであり、そのことを考慮すれば、適用範囲を無視(※)したり、誤った使い方をすれば、多少なりとも悪影響を与える可能性はゼロではありません。※適用範囲10畳以上となっている製品を1畳程度のトイレに設置して使うなど。

 とはいえ、電機製品において、「適用範囲を無視」「誤った使い方をすれば悪影響を与える可能性」という2点については、特に民生用オゾン発生器に限った話ではありません。空気清浄機や加湿器、掃除機やエアコンなども誤った使い方をすれば、それなりに危険な場面をつくることも可能です。つまり、フェアに考えれば、「電機製品」を扱うという点においては、その危険性は同程度にあると考えればいいだけの話しであり、民生用オゾン発生器だけが特段危険性が高いという事実はないということです。

オゾン発生器を導入する際に

 コロナ禍において、ありとあらゆるオゾン発生器、オゾン発生装置を目にするようになりました。オゾン発生器を導入する際に、もっとも重要と思われるものは、「利用シーン」に適した機器を選ぶことです。では、一般の方々はその「適した」をどのように判断すればいいのでしょうか。奈良県立医科大学の実験で使われた製品はタムラテコ社のリオン3.0ですが、では、どのようなシーンであっても当該機を導入すればよいのかというと、そうではありません。たとえば、リオン3.0は家庭用と呼ばれるきわめてオゾン発生量が少ないオゾン発生器になるため、業務用途で使われることはほとんどありません。

自動車もオゾン発生器も利用シーンに合わせて選ぶことが重要
出典:https://www.niconori.jp/

 自動車を例に考えてみると、作業車から自家用セダン、RV車にワゴン車、ワンボックスカーにスポーツカーなど。実にさまざまな自動車があります。険しい道にスポーツカーは不適切ですし、家族と一緒に自動車で遠出をする際に作業車を利用すれば、見た目や乗り心地などの観点からそれもまた不適切であると言えます。オゾン発生装置は主に業務用途と家庭用途に別れますが、そのなかでもオゾン発生量やモード、タイマー、人感センサーなど、実に様々な製品があります。